「原爆Tシャツ」「ナチス帽子やハーケンクロイツを連想させる旗」などで日本国内を中心に炎上し非難が集中した韓国アイドルグループのBTS(防弾少年団)の所属事務所(BIGHIT)が2018年11月13日、「最近のBTSに提起されたイシューに対するBIGHITエンターテインメントの立場」と題する声明を発表し、一連の炎上騒動に対し謝罪した。
「反ナチス的な創作だった」、原爆被害者協会に接触も
声明文では、原爆やナチスに被害に遭われた方々を傷つける意図はなかったとした上で、関係者を傷つけご迷惑をおかけたことを心よりお詫びします、責任は所属事務所にある、問題となって点と所属事務所の立場とお詫びを箇条書きで綴った。
ナチス帽子や旗について、声明では、全体主義批判のパフォーマンスであったとし、むしろ反ナチス的な創作であったと説明。
声明文では最後に、日本と韓国の原爆被害者協会の関係者に接触してお詫びすると同時に、アメリカに本部を置くユダヤ人団体「Simon Wiesenthal Center」にも説明とお詫びの書簡を送ったという。
この声明が発表されたのはBTS世界ツアーの東京ドーム公演が行われたいた頃。声明文の通りだと、広島長崎の原爆被害者への接触にまで踏み込んだBTSの積極的な行動が世界でどう判断されるか注目が集まる。
(朝鮮日報日本語版) 防弾少年団東京ドーム公演に日本人ファン5万人、反韓デモはたった2人
13日の東京ドーム公演の様子を伝える報道
被害者団体などもBTSの謝罪を受け入れる姿勢
謝罪文の概要
1. 問題となった点
- BTSが原爆Tシャツを着用したこと。
- BTSが韓国の雑誌撮影で、ナチスの帽子を着用したこと。
- BTSがナチスを連想させる旗で公演をしたこと。
2. 所属事務所の立場
- 原爆で被害に遭われた方々を傷つける意図はなく、今後もないこと。
- ナチスとすべての全体主義、極端な政治的性向に反対し、歴史上このような団体によって被害に遭われた方々に傷つける意図なく、今後もないこと。
3. お詫び
- 上記立場にもかかわらず、弊社が事前に十分に検査できず、関係者を傷つけ、ご迷惑をおかけたことを心よりお詫びします。
- 写真撮影時、全衣装とアクセサリーを弊社が十分に検査できず、歴史上被害に遭われた方々を傷つけ、ご迷惑をおかけした点について心よりお詫びします。
- 上記の責任は、所属事務所BIGHITにあり、BTSは多くのスケジュールや現場の状況などを考慮し、責任はありません。
4. 問題の公演に込めたパフォーマンスについて
- 問題の公演は、2017年、画一的教育を批判する社会的なメッセージを込めた「教室イデア」のパフォーマンスだった。
- 問題の旗や画像は、ナチスと関連のない創作であり、「全体主義的な教育システムを批判」のパフォーマンスだった。
- このパフォーマンスがナチスとの関連性は全くなく、むしろ全体主義的を批判するための創作でした。
5. 問題改善に最善を尽くします
- 「世界中に感動を与えよう」はBTSの存在理由であり、多様性の時代に考慮するべき課題に最善の努力をいたします。
- 多様な社会・歴史・問題的への理解をもとに詳細までチェックし、心に傷つく人がいないよう注意いたします。
- 改めてチェックが不足ゆえの、傷ついた方々にお詫び申し上げます。
6. 問題解決するために行動します
- 日本と韓国の原爆被害者協会の関係者に接触、説明し傷ついた方々に対してお詫びしています。
- 今回の問題を提起した「Simon Wiesenthal Center」に状況説明し、傷ついた方々に対してお詫びの書簡を送りました。
BTSの所属事務所BIGHITエンターテインメントの謝罪全文
[공지] 최근 방탄소년단에 제기된 이슈들에 대한 빅히트엔터테인먼트의 입장
(https://t.co/1uhd2xTW4N) pic.twitter.com/wM2yBIP3KA— BigHit Entertainment (@BigHitEnt) November 13, 2018
最近「防弾少年団」に提起されたイシューに対するBIGHITエンターテインメントの立場
こんにちは。BIGHITエンターテインメントです。
最近、BIGHITエンターテインメント(以下、BIGHIT)の所属アーティスト「防弾少年団」に関して様々なイシューが提起されています。これに対するBIGHITの立場は以下の通りです。
1. 最近、提起されているイシューの中で我々BIGHITが検討した内容は以下の通りです。
- 弊社のアーティストが原子爆弾(以下、原爆)の画像が入っている衣装を着用した内容。
- 弊社のアーティストが過去に韓国国内の雑誌の写真撮影で、ナチスを連想させるマークが入っている帽子を着用した内容。
- 弊社のアーティストが過去に参加したイベントのパフォーマンスにおいて、ナチスのマークを連想させる旗を振りながら公演をしたという内容。
2. 上記の内容に対するBIGHITの立場は以下の通りです。
- BIGHITは「防弾少年団」をはじめとする弊社所属の全てのアーティストの活動において、戦争及び原爆などを支持しておらず、これに反対し、原爆投下によって被害に遭われた方々を傷つける意図は全くなく、今後もないことを明らかにします。
- BIGHITは「防弾少年団」をはじめ、弊社所属の全てのアーティストの活動において、ナチスを含むすべての全体主義、極端な政治的性向を持つ全ての団体及び組織を支持しておらず、これに反対し、このような団体との連携を通じて過去の歴史によって被害に遭われた方々に傷つける意図は全くなく、今後もないことを明らかにします。
3. BIGHITは最近、提起されたイシューに関して以下のようにお詫び申し上げます。
- BIGHITは原爆の画像が入っている衣装の着用に関して、上で明らかにしたように一切の意図はなく、衣装自体が原爆による被害者の方々を傷つける目的で制作された衣装ではないことを確認していたにもかかわらず、弊社が事前に十分に検査できず、弊社のアーティストが着用したことによって、原爆による被害者の方々に意図せず傷つける可能性があったのはもちろん、弊社アーティストが原爆画像と関連している姿を見せ、ご迷惑をおかけした点について心よりお詫び申し上げます。
- BIGHITは写真撮影時、ナチスを連想させるマークが入っている帽子の着用に関連して、上で明らかにしたように一切の意図はなく、当日撮影に関する全ての衣装とアクセサリーはマスコミから提供されたもので、弊社が事前に十分に検査できず弊社のアーティストが着用することによって、過去にナチスによる被害に遭われた方々に意図せず傷つける可能性があったことはもちろん、弊社のアーティストがナチスの画像と関連している姿によってご迷惑をおかけした点について心よりお詫び申し上げます。
- しかし、上記の事案に対する責任は、アーティストの所属事務所として細かい支援ができなかったBIGHITにあり、弊社所属のアーティストは多くのスケジュールや現場の状況などを考慮する時の上記の事案の責任はない点を明白にします。
4. BIGHITは提起されたイシューが公演のパフォーマンスに対して以下のように説明いたします。
- 問題提起された公演は、2017年、BIGHITのアーティストが参加した伝説的アーティストのソ・テジの記念公演で、画一的な教育の現実を批判する社会的なメッセージがこめられた「教室イデア」のパフォーマンスの場面が含まれています。
- 問題提起された旗及び画像は、ナチスと関連のない創作アートワークであり、「画一的で、全体主義的な教育システムを批判」するためのパフォーマンスでした。
- このパフォーマンスが、一部で問題提起されたように、ナチスとの関連性を持っていることは全くなく、むしろこのような全体主義的な現実を批判するための創作的な要素を持っている点が考慮されるべきものです。
5. BIGHITは今回提起された問題を改善していくことに最善を尽くします。
- 「音楽とアーティストを通じて世界中の人たちのためと感動を与えよう」ということはBIGHITの存在理由です。また多様性と包容の時代を生きていきながら、考慮するべき要素が多くなることは我々にとっても挑戦的な課題ですが、これをきちんとおこなうために最善の努力をしています。
- これからも今回問題提起された事案だけでなく、多様な社会/歴史/問題的背景に対する理解をもとにBIGHIT及び所属アーティストが活動する詳細部分までチェックし、我々によって心に傷つく人がいないように更なる注意をしていきます。
- 改めてBIGHITがこのような点のチェックが不足し、傷ついた方々に丁重にお詫び申し上げます。
6. BIGHITは今回提起された問題を解決するために以下のような措置を取っています。
- BIGHITは、日本と韓国の原爆被害者協会の関係者に接触し、現在提起されている問題に対する説明及び傷ついた方々に対してお詫びしています。
- BIGHITは、イシューに関する問題を提起した団体である「Simon Wiesenthal Center」に状況を説明し、本イシューによって傷ついた方々に対してお詫びの書簡を送りました。
2018年11月13日22時28分配信 (C)WoW!Korea